「梨泰院クラス」、韓国のケーブルテレビ局JTBCにて2020年1月31日から同年3月21日まで放送されたテレビドラマ。
夢想家で理想主義者の主人公セロイ。
「信念と気合い」を何よりも大切にしている。
それに巻き込まれる周囲。
始めは面倒くさいと感じながらも、しだいに、その主人公セロイの魅力に、皆が引き込まれていく。
10年間も想いを寄せていた相手、スア(イソの恋敵)に裏切られたのでは、と詰め寄るイソに対してのセロイの返答。
"10年間、好きだったから
【梨泰院クラス】第4話より
お前も好きになってくれ"
心というのは
ギブアンドテイクではない
裏切られたとしても、大体、状況は分かる。
スアは自身の仕事や人生に忠実なだけ。
と、スアをかばうセロイ。
「ギブアンドテイク」
長く付き合えば付き合うほど、それは当たり前で当然の権利のように思えるけれど、
「テイク」を期待せずに、「ギブ」だけで幸せと思える、
そんな風に心から思えたなら、
少なくとも、自分自身に対して納得のいくよう、積極的な努力ができるのではないかと思う。
「ギブアンドテイク」だけではない、人間関係。こんなところにも垣間見えます。
梨泰院で借りていたビルを、会長(セロイの商売敵)に買い上げられてしまい、退去を余儀なくされてしまうセロイ。説明を求めに会長を訪れたときのことば。
真の強さとは
人から生まれます
みんなの信頼が
僕を強固にしてくれる
【梨泰院クラス】第8話より
「商売ができなければ、人も いなくなるぞ」と応酬する会長。
人がいるから
商売できるのです
【梨泰院クラス】第8話より
こうやって、どこまでも「人」を大切にしてきたセロイ。
だからこそ、仲間も、「ギブアンドテイク」と割り切ることはなかった。
それどころか、セロイと一緒に働くことを、時間を共有することを、純粋に素直に、有意義なものとして感じ、懸命に、店を守るために働いてきた。
1+1=2 数学ではあたりまえの定理だけれど、
信頼しあう人間が集まったとき、1+1は、化学反応を起こし、2 にはとどまらず、1+1=2プラスアルファになる。3にも、4にも、10にだって。
セロイ率いる「タンバム」という店でも、セロイの人格、人望が、仲間に影響を及ぼし、プラスアルファを最大限に引き出したのではないだろうか。